「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」を読んだ
Twitterが流行りだして数年経ったのち、ネットの記事やいろんな媒体でTwitterの創業者が〜みたいな文章を見かけるようになってから、僕は結構混乱したものでした。
WIREDの記事を見れば、Twitterを創った男、ジャック・ドーシー。
小飼弾は「アルファギークに逢ってきた」で、Twitter創業者、エヴァン・ウィリアムズと対談してる。
飯野賢治はTwitter創業者、ビズ・ストーンと対談してる。
なんぞこれ。一体だれがトップなんだと、アレを作ったのは一体誰なんだ。
色んな記事を漁るにつれ、Twitterがとあるスタートアップのメンバー4名から派生した会社であったことや、何度もCEOを交代して今に至ること、などがわかってきまして。
「ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り」を読むと、Twitter誕生から遡ること数年、エヴァン・ウィリアムズが最初のスタートアップを立ち上げてから、数年後、TwitterのCEOの座を降ろされるまでがまるで映画の青春群像劇のように語られます。
僕はシリコンバレーのIT企業の創業話がどうも好きらしく、今まで「スティーブ・ジョブズ」「フェイスブック 若き天才の野望」、「ジェフ・ベゾス 果て無き野望」(これはまだ読み途中。Twitterのほうが面白くて。。)、あとマイクロソフトのも(タイトル忘れた。。)など読んだのだけど、 それらの登場人物が皆超然とした人物であったというエピソードばかりで構成されてるのに対して、 こちらはもっと庶民的な。というかちっちぇー話が多い印象。 スティーブ・ジョブズの真似をしだしたり、出張中にアプローチしてた同僚の女の子を取られてブチ切れたり。
そのせいか、この本に出て切る登場人物には皆感情移入しやすいんじゃないかなと思います。
最初から超強力なエンジニアリング能力があったわけではなくて、その名が広く知られるようになっても頻繁に落ちてたし、 実際社内もゴタゴタだったと書いてあります。
別に一流の大学を出たわけじゃない、明日の飯代にも困ってたような若者がアイデア・信念・仲間と共に一心不乱にコードを書いて成功したという話。 ちょっとだけ夢が持てるじゃないですか。
読み終わった後の創業者4人の印象を書かせてもらうと、
優柔不断だけど思慮深く、頼れる兄貴、エブ。
クール・策略家・反骨・孤独、ジャック。
良い人という突出した才能、ビズ。
不運、ノア。
ただ、特定の人物にネガティブなバイアスがかかりそうな書き方になってる気はします。
たまに登場するマーク・ザッカーバーグの描かれ方も面白くて。 「フェイスブック 若き天才の野望」では主人公であったマーク・ザッカーバーグだけど、今回は完全に悪者扱い。 天才・年収ウン億ドル・Facebook帝国のトップとしてTwitter創業者たちに買収を持ちかける様はアナキン・スカイウォーカーがルークの前に立ちはだかるかの如く。 あぁ時間とはなんと、人をかくも残酷に変えてしまうものなのかと、描かれなかった彼の時間につい思いを馳せてしまいます。
小説を読むような感覚でさっくり読めたのでおすすめです。